第二話 イタリア在住とすかーなのオンライン料理教室 前編

先生に恋するインタビュアー
 インタビュー第二弾。第一弾の原稿が完成すると同時に、次の先生にコンタクトする予定だった。「次はイタリアの先生です」と事務局から言われており、イタリア好きな私はワクワク。
 ところが、私の勘違いで、次の先生をかなりお待たせしていたことが発覚。「ライターさんから連絡が来ていない、と先生から連絡が入ったのだけど、連絡していなかったのですか?」と事務局から言われ、初めて勘違いに気づき慌てふためくアケミ記者。
「わ~汗、どうしよう。お怒りになられているかも…(>_<)」
 でも、お詫びして正直にお伝えするしかない。

 ここでいきなり余談だが、私は正直者である。自分で言うのはナンなのだが、アナタって超がつく真面目!と言われることが多い。まあ、真面目というか、実直というか、うん、不器用なんだな。正直者はバカを見る、と言われる世の中だけど、器用に生きる方が難しいから仕方ない。
 ということで、真面目と言うか、正直と言うか、お詫び方々そのままの気持ちをメールに書かせていただいた。ここで個人的なメール文面を披露するのは余計なことだが、新コンテンツにかけるインタビュアーの気持ちをご理解いただきたく以下に抜粋。

お詫び>>>割愛
「さあ、次は赤井先生に恋する時がやってまいりました! ライター、取材をする身といたしましては、取材させていただく先生に恋したいと思っ ております。 イタリアで料理研修をした経験がございますので、お話しすることを非常に楽しみに しております」
以上。

 そうなんですよ~。あたくし、お一人お一人の先生に恋をする気持ち?で取材させていただいておりますの(私に恋されても困っちゃいますね!爆)。というか、先生推しの生徒になった気持ちで臨んでおります。本当に!!

 とまあ、こういった経緯があってからのオンラインインタビュー。どうなることやら(第一回目も「どうなることやら」とつぶやいていたような…?汗)

引き出しが多すぎる!とすかーな先生
 今回、イタリアとのオンラインインタビュー。時差マイナス7時間。日本夕方、イタリア朝の時間帯で約束をさせていただいた。

 メールでお詫びするところからやり取りが始まっているので、ドキドキのアケミ先生…しかも、ZOOMのホストは初めてである。なんとかスタートしたが、使い方わからずしどろもどろ(笑)。見かねた先生が助け舟を出してくれてやり方を教えてくださった。やさしい♡

 では、対談スタート。

アケミ先生 すみませんっ…すでにご迷惑をかけているのに、ZOOMの扱いがわかっていなくて…

とす先生 アケミ先生って正直な方(笑)でも、メールから裏表がないのが滲み出ていましたよ~。悪気はないんだけど、誰かの地雷を踏みそうだな~と思いました(二人で爆笑!!)連絡がなくてこちらから聞いたのも、イタリアでは「あれ?」と思ったらまず聞くのが普通なんです。だから、気にしなくても大丈夫ですよ~。あ、あと、先生って言わないでください(笑) 「とすかーな」というハンドルネームで活動しているので、「とすさん」がいいかな。

アケミ先生 はい、では、とすさん…いや、ここでは先生と呼ばせてください。ということで、とす先生!えーっと、私、とす先生を事前調査した時、ホント驚いたんです。え~こんな先生がMy Kitchenにいらしたなんて!って。イタリアで様々な経験されていて、活躍もされていて、私のようなイタリア好きにはたまりません(笑)

とす先生 え?そんなに?なんだろう(笑)

アケミ先生 皆様には、とす先生の経歴を見ていただきたです。テレビ番組のコーディネーターをイタリアで…って、普通、滅多にできませんから!こうしてインタビューできてうれしいです。ありがとうございます。

とす先生 いえいえ(笑) 私ね、My Kitchenは今後伸びるといいな!って思っているんですよ。実は、コンサルタントの仕事もしていたので、伸びそうな企業はサポートしたくなっちゃいます!

アケミ先生 え!コンサルタントって…初耳です!引き出し多すぎます(笑) でも、そう言っていただけると心強いです。私のインタビューでMy Kitchenの先生に表に出ていただき、さらにファンを獲得されて欲しいんです。そのファンのどなたかが、私も料理教室の講師になりたいな~と、勇気をもって始めてくれたらって思っています。そのために、色々な先生に出ていただこうと…。で、とす先生は引き出をたくさんお持ちでご活躍中ではありますが、ぜひ、さらにたくさんの方に知っていただきたいです。

とす先生 そう言っていただけると私もうれしいです!

義理の母が元シェフなので食関係に知り合いが多いんです
とす先生 私、アケミ先生情報をちょっと見たのですが、何度かイタリアに来られているんですよね?

アケミ先生 はい、初回渡航はフィレンツェの料理家に通い、次がローマのリストランテに入りました。観光そっちのけで料理漬けでした。パンツァネッラが知りたくて、本当に単にそれだけの興味で「イタリアに行こう!」と決めました。そして、ネットサーフィンをしていた時に見つけた「アドマーニ」というイタリア留学サポートの会社を通して渡ったのが最初です。

とす先生 パンツァネッラは、トスカーナ料理ですね!そして、びっくり!この企業さん知ってますよ。だって、私の勤め先の革メーカー、フランチェスコ・リオネッティが取引していますから。

アケミ先生 (二人で興奮!!)すごい!ずっと前からご縁が繋がっていたのですね。私がフィレンツェにいた時すれ違っていたのかもしれませんよ。そうそう!語学学校と料理教室に毎日通いながら、休日にピサに行きましたよ!ピサは先生の居住地ですよね。

とす先生 留学生のアクティビティですね?旅行者にピサの案内していますよ。私は留学未経験なので、語学学校のシステムはよくわからないのですが。

アケミ先生 留学でなくあの素敵な街並みの中でリアルに生活しているのがうらやましいです!ところで、何年前からイタリアに?

とす先生 接点があったの20年ほど前からです。貿易会社の営業をしていたので、出張でイタリア、北米に行っていたんです。イタリアに移住したのは9年前です。現在、フィレンツェの会社に勤めていますが、イタリア添乗員の資格を持っているので、街の案内もします。義理の母が元シェフだったり、撮影のコーディネートの絡みで、私には食関係の知り合いが多いんです。なので、チーズ工場見学なども添乗しています。

アケミ先生 わ~チーズ工場見学!いいですね!そういうツアーに参加したい!

とす先生 そうそう、あとね、料理学校のイタリア人校長先生も友達で…

アケミ先生 あ!もしかしたら?…知ってます!!ルッカの学校!フィレンツェ調査していた時、料理留学したくて、ウェブサイトをうらめしそうに見ていました(笑)

とす先生 そう!そこの校長先生が友達なの。

アケミ先生 なんかすごいインタビュー(笑) もっと前からとす先生と知り合っていたら、私もそこで授業受けていたかもしれませんね…なんだかイタリアの話で終わっちゃいそう(いや、ダメダメ!(笑))

とす先生 日本の旅行者って忙しいから、料理を習いたくても1、2日しか…って人が多いんですよ。そういう旅行者のコーディネートというか、校長と友達というコネ使って、通常2週間とか1ヶ月のコースを特別に3日間だけレッスンに入れてもらったりしています。

アケミ先生 え~機会あったら行きたい!!いい話を聞いた(笑)

とす先生 あと、さっき話に出ましたが、日本のテレビ番組のコーディネーターもやっているので、番組趣旨に合わせて地元企業を繋ぐこともしているんですよ。チーズ工場だけでなく、サクランボ農家やオリーブオイル業者さんとか…そういったことで、私は食関係の横のつながりは強いんです。

アケミ先生 いいですね~。実は、私がローマに渡った経緯がイタリア食品輸入会社のサポートでして…
………割愛………
 アケミ先生、とす先生のイタリア話にワクワクも止まらず。そして、相変わらずのインタビュアーのおしゃべりが止まらない…フィレンツェのエアコン事情、フィレンツェ薔薇園の話、土地形状の話、マンマのミントティの話…インタビュアー自らペチャクチャ..大笑いのインタビュー(のけぞって笑うシーンも(笑))

ロックダウンのおかげで、以前からやりたかった食の仕事に就くことに
アケミ先生 さて…先生は、お母さまの手作り味噌で育ったそうですが、そちらについてお話聞いてもいいですか?

とす先生 はい、子供の頃から市販のお菓子をほとんど食べずに育ったんです。お菓子だけでなくパンも手作りでして。実母がそんな人で、そんな家庭で育ちました。私のバックグラウンドとしてはビジネス系の仕事が多かったのですが、育った環境から、料理の仕事をしてみたかったんですよね。

アケミ先生 これだけの経歴があるのに、実は料理の仕事がしたかったとは意外です!でも、お育ちの環境伺って納得です。料理が好きな方ってお母様の影響があるっていうのが多いと思います。

とす先生 ええ、そうですね。あとね、料理学校を出られている方が料理教室の先生だとプロっぽいですが、そうではなく、バックグランドが違う私が教えていると、「私にも作れる!」って思ってもらえると思うんですよね。

アケミ先生 わかります!私も最初はそうだったので、「先生」と呼ばれたくなかったんです。現場に入って料理を学んだら、アケミ先生って呼ばれることに慣れましたが(笑) では、次の質問です。事前アンケートでうれしかったエピソードに「つくれぽ写真の送付」とありますが、My Kitchenでレッスンを始める前に何かやられていたのですか?

とす先生 別のプラットフォームでオンラインレッスンしていた時、イタリアの食と食文化のFacebookグループがありまして、その時の生徒さんからの「作りました~」という報告なんです。皆さんが「つくれぽ写真」とおっしゃっていたので。

アケミ先生 講師にとってうれしい報告ですね!レッスン開始されて日が浅いのに、反響ぶりがすごい!まだ一年ちょっとですよね?生徒さんはどちらからいらしたのでしょう?

とす先生 私が作ったイタリア料理やイタリアのサラリーマンランチをブログやSNSに載せていたんです。そうしたら、「そういうのを習いたい」という要望をいただくようになって。でも、当時、会社勤めだったので時間がなく諦めていたのですが…

アケミ先生 ええ、私も「ぜひ習いたい!」と要望したくなります。

とす先生 でもね、有難いことにロックダウンでそれができたんですよ。 

アケミ先生 ロックダウンが功を奏したんですね!ロックダウンはたいへんだったでしょうが、考え方変えるとやりたいことができて楽しくなりましたよね。

とす先生 以前からどうやったら食の仕事ができるか考えていたので、いいタイミングでした。私は、郷土料理や家庭料理をお伝えしたかったんです。プロの料理人が作るような料理は毎日作らないですからね。フルタイムで働いているイタリア人が短時間でぱぱっと作る料理とか、日曜日に家族が集まる時に作る少し手の込んだ料理とか、あとは旬のものを使った料理をお教えしようと思っていました。

取材・撮影・文
Class A's Kitchen
中尾明美